PURPOSE STORY

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あらゆる人が「自分の仕事に誇りとやりがいをもてる」世界を。

株式会社マイナビ アルバイト情報事業本部 事業本部長 穂積 洋平(ほづみ・ようへい)

「パーパス」ってなんだろう?

「ミッション」や「経営理念」と似ているけど、ちょっと違う。
企業と社会のつながりが欠かせない今、
ビジネスシーンで“存在意義”と訳されるこの言葉が、
多くの企業に求められている。

《一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。》

これは、マイナビが掲げたパーパスとともに歩く、
社員一人ひとりの物語。





好きなことに関わりたいから、お金を稼ぎたいから、仕事を通して学びを得たいから……。人の数だけ働く理由があり、働く喜びがある。「この仕事が好き」「ここで働きたい」と思える職場との出会いをつくる。それがアルバイト情報サイト「マイナビバイト」を運営する、アルバイト情報事業本部が目指すものだ。事業本部長を務める穂積洋平は、マイナビバイトの立ち上げに参画。以来、アルバイト情報事業一筋でマイナビでのキャリアを重ねてきた。

「未来が見える世界をつくる」ため、マイナビの全社的なパーパスを、自身の事業に落とし込んでいく。求職者と企業、双方の未来が見える世界をつくるためにマイナビがすべきこととは、一体何なのだろうか。

どうすればマイナビを選んでもらえるか。

手持ちの武器は、営業用のチラシたった1枚。それを片手に企業や店舗に飛び込んでは、すげなく断られる。「どうすれば契約が取れるだろう……」。当時の穂積は必死に考えていた。

アルバイト情報サイト「マイナビバイト」がリリースされたのは、2007年9月。穂積が株式会社 毎日コミュニケーションズ(現マイナビ)に中途社員として入社したのは、それより2ヶ月前の7月のことだった。

「入社を決めたのは、新規事業の立ち上げに関わりたかったからです。営業職として、自分の力がどのくらい通用するか試してみたかった。しかし、現実は想像以上に厳しいものでした」

マイナビバイトをリリースしたとき、世のなかにはすでに数多くのアルバイト情報サービスが存在していた。穂積いわく業界的に「お腹いっぱいな状態」でのスタートだったという。

「駆け出しのマイナビバイトは知名度が低く、利用者数や求人への応募者数で他社のほうが圧倒的に勝っていることは明白でした。そんななか、お客さまに対して掲載をせがむことはできません。どうすれば契約につながるか。どうすればマイナビバイトを選んでもらえるか。考え抜いた結果、『隙間をねらう』ことに辿り着きました」

隙間をねらうとは、ランチタイムや深夜など、人手が足りなくなる時間帯の求人に力を入れるということ。クライアント側の細かなニーズを満たしながら、主婦(夫)や夜間学校に通う学生など、短時間のアルバイトを探している人にねらいを定めてピンポイントでアプローチする。

この作戦がおおいに当たり、穂積個人の営業成績は飛躍した。その後、穂積はマネージャーとして全国の拠点でメンバーを育て、2011年にはブロック長、2016年には事業部長に昇進。しかし、心のなかにはわだかまりが生まれていったという。

自己を破壊し、アップデートしていく。

「自分の仕事やキャリアにはやりがいを感じていました。でも、自分はこのポストに値する知識やスキルをもっているか?と自問自答すると、即座にYESと言えなかったんです」

その想いを払しょくするため、穂積はみずからMBA取得を目的としたビジネススクールに通うことを決める。授業はグループワークやディスカッションがメイン。年齢・国籍さまざまな人が通っており、みな意欲的だった。

「スクールでは、ひたすら自分と向き合うことが求められました。自分は何がしたいのか、自分の強みや価値観は何なのか……。講師には『なにより大事なのはセルフマネジメントだ』と言われ続けました。そのなかで、ときには自分の意見がストレートに批判され、面食らうことも。でも悔しいことに、納得できる批判内容なんですよね」

当時を振り返り、穂積はなつかしそうな表情を浮かべる。仕事と両立しながら駆け抜けた怒涛の2年間、生活スタイルまでもがらりと変え、徹底的に自分と向き合い続けた。そして、ある気づきを得たという。

「大抵の人間は、自分の常識を疑わず、変化を恐れるといわれています。でも、前に進むには自己を破壊し、成長意欲で自分をアップデートしていくことが必要なんですよね。だからこそ、あのときの出会いや経験は人生の財産だと思っています」

重要なのは「どこに帆を向けるか」。

2021年、穂積は事業本部長に。ときを同じくして、マイナビ全社のパーパス策定プロジェクトに加わることになった。

「マイナビは自由な社風です。そのため、パーパス策定以前は組織や人ごとで仕事に対する信条がバラバラで、それでもよしとされていました。ですが、パーパスは言わば共通の価値観ですよね。それを一人ひとりに浸透させていく。なかなかのハードルの高さだがやるしかない、と覚悟を決めました」

穂積のパーパスに対する思いは人一倍強い。パーパスを策定するだけでなく、それを社員に浸透させることの重要性を誰よりも強く感じていた。価値観を変えることの大変さを身をもって経験していたこともあり、自身の組織にどう落とし込むか、徹底的に考え抜いた。

「まずは自分自身でアルバイト情報市場の課題とパーパスにもとづく戦略を考え抜き、それを自分の言葉で直接伝えていきました。本部長である自分が本気で取り組むことではじめて、部下にも広まっていくと思ったからです」

パーパスを浸透させるための大きな壁となったのは、「社員一人ひとりに“自分ごと化”してもらえるか」。壁を突破するため、組織内の全員に「パーパスを踏まえて実現したいこと」を考えてもらった。

「自分がしたいこと、自分にできること、自分がしなければならないこと……。自分と向き合い、考えてもらう機会を何度もつくりました。私はサポートしますが、答えは必ず部下自身に出してもらいます。積極的で柔軟なメンバーが多かったので、みんな真剣に取り組んでくれました」

こうして、ことあるごとにパーパスを掲げたことで、事業部内の雰囲気は少しずつ変わっていったという。

「それまで私たちは外に正解を求めがちでした。例えば競合他社があらたなサービスや機能を追加したら、自分たちも取り入れたほうがいいのではないかと。ですが、そうした外部環境は『風向き』にすぎません。風向き自体はどの企業においても大差なく、その風を受けてどこに行くかは帆の向きで変わりますよね。つまり、重要なのは『どこに帆を向けるか』であり、パーパスはそれを指し示してくれるんです」

現場主導の動きがきちんと実績につながった。

「当たり前ですが、パーパスは掲げるだけでは意味がない。日々の実務に落とし込むことが大切です。部下からの提案で実施した、未来が見える世界をつくるために『利用者からのクレームをゼロにする』取り組みは、それが実現できたよい例です」

マイナビバイトの利用者から届く問い合わせのなかでもっとも多いのは「応募した企業や店舗から連絡が来ない」というもの。応募先の担当者が忙しすぎて連絡を返す時間がとれないのだろう。これまでずっと、穂積たちはそう考えていた。ところが、いざその原因をひも解いていくと、マイナビにもできることがあると気づいた。

「結論から言うと、アルバイトを採用する企業や店舗への応募後のフォローが足りていなかったんです。応募者と企業や店舗、どちらにも面接に時間を割きやすい曜日や時間がありますし、使い慣れている連絡手段がある。私たちは、『自分の役割は、求人を掲載し応募を集めるところまで』と決めつけ、そのあとのことを考えられていなかったと思います。」

解決策として、各社の選考フローを細かく把握し、応募者と企業双方の面談希望を応募フォーム上で記入できるようにしつつ、原稿にも記載するようにした。結果として連絡がつく割合や面接通過率はアップし、採用率も向上した。当たり前のことのようだが、これまで実践されていないことだった。始めは、中国・四国・九州・沖縄エリアから試験的に。7ヶ月ほど取り組んだ結果、「応募したのに企業や店舗から連絡が来ない」といった問い合わせは大幅に減少した。

サイト立ち上げから16年間根ざしていた常識を覆すのには、大きな苦労があったと穂積はいう。

「部下には、自分の常識を疑うことの重要性を説明してきました。そして実際に、マイナビバイトの利用者が応募してから働き始めるまでのカスタマージャーニーを練り直してもらい、答えを導き出しました。課題の要因のひとつはアルバイト採用を行う企業や店舗ではなく自分たちのほうにあり、視点を変えて少し工夫すれば解決できることでした。利用者にとっての使いやすさを追求した結果、アルバイト採用を行う企業や店舗の人材不足も解消し、両者の『未来が見える世界』につながった。まさに、私たちアルバイト情報事業本部が叶えたかったことです」

こうしてパーパスの実現を目指す信念とそれぞれの日々の仕事が結びつけば、この会社で働く意味も明確になるのではないか、穂積は嬉しそうにそう話した。

誇りとやりがいをもって働ける世界をつくりたい。

穂積自身のパーパス。それは、「あらゆる人々が、自分の仕事に誇りとやりがいをもって働ける世界をつくること」。

「振り返ってみると、昔からこういった考えは自分のなかにあった気がします。ですが、以前は自信をもって『自分の仕事に誇りとやりがいをもっている』と言い切れませんでした。マイナビでのキャリアのほとんどをアルバイト情報事業に費やし、ほかの世界を知らない。そのことに心残りがあったからだと思います」

穂積はそんな自分と向き合い、自分は何がしたいのか、自分の強みや価値観は何なのかを、マイナビのパーパスと照らし合わせながら言語化していった。次第に自分が実現したい世界観が明確になり、自分の仕事はその道筋にあるのだと確信する。「自分の仕事に誇りとやりがいをもっている」と自信をもって言えるようになった。

「今は、あらゆる人の“働く”を支えるこの仕事が誇りであり、とても価値があることだと思っています。アルバイトか正社員かといったことにかかわらず、私たちマイナビのサービスを利用してくださっている利用者一人ひとりの可能性と向き合い、彼/彼女らが職場で誇りとやりがいをもって働ける世界をつくっていきたいんです」

街なかで働くたくさんの人の後ろには、穂積のように、その働きをサポートしようと奮闘する人々がいる。何気ないことでも、見えないところで人に支えられている。そう考えると、少しだけ目の前の世界が明るく見えてこないだろうか。

株式会社マイナビ アルバイト情報事業本部 事業本部長

穂積 洋平(ほづみ・ようへい)

2007年、株式会社毎日コミュニケーションズ(現マイナビ)に中途入社。新規事業の営業として、マイナビバイトの立ち上げに携わる。
2016年12月に執行役員に就任。2021年からは事業本部長として、パーパス実現に向けたミッションの策定、事業戦略とマーケティング戦略の立案、予算管理、取引先や外部パートナーとの関係構築、外部環境と内部環境分析など、アルバイト情報事業全体の指揮を行う。

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