PURPOSE STORY

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「プロ人材」の力が社会を前進させる。

株式会社マイナビ 独立推進事業室 スキルシェア事業統括部 統括部長 光川 尚輝(みつかわ・なおき)

「パーパス」ってなんだろう?

「ミッション」や「経営理念」と似ているけど、ちょっと違う。
企業と社会のつながりが欠かせない今、
ビジネスシーンで“存在意義”と訳されるこの言葉が、
多くの企業に求められている。

《一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。》

これは、マイナビが掲げたパーパスとともに歩く、
社員一人ひとりの物語。





個の力が尊重され、生かされることによって、企業や社会はもっと前進できる。

そんな光川尚輝の思いを形にしたのが、2020年10月にリリースした「スキイキ」だ。プロジェクトの推進に必要なスキルを持った“プロ人材”を求める企業と、仕事を探すフリーランス・副業者をつなぐプラットフォームで、登録者数は2023年10月現在で約37,000人にのぼる。

関西エリアでの6年間の営業経験を経て2019年に本社へ異動した光川は、統括部長としてスキイキの指揮を執る。「個の力」は、どのように企業や社会を変えていけるのか。光川が描く未来像とは。

営業から新規事業の立ち上げへ。

2013年にマイナビへ新卒入社し、「東京で社会人生活を送るのだろう」と思っていた光川が配属されたのは、大阪支社の就職情報事業本部の営業だった。想定外のスタートとなったが、やり始めると楽しくなるもの。企業の採用戦略の立案から、広報・採用フローの設計、人材育成まで幅広い提案を行った。4年目の2016年に営業課長に昇進してからは、後輩の育成やチームマネジメントに携わるなど、仕事を存分に楽しんだ。翌2017年には滋賀支社の立ち上げに携わり、2018年には京都・滋賀エリアの営業部長に昇進した。

「社員数が多い大阪支社ではチーム間で競争意識があり、よい刺激がありました。ですが、マーケットとの向き合い方を学びたい気持ちが強くなり、滋賀支社の立ち上げに加えてもらったことで、期待どおりの大きな学びがありました。また自由に企画の実行をさせていただいたおかげで成果につなげることができ、いい流れで後任者にバトンを渡せました」

営業部長を務めたとき、部下となる課長職のメンバーは全員先輩だった。「後輩の私を支えてくれた課長たちや、部長に抜擢してくれた上司を裏切らないよう必死に考えた1年でしたね」と光川は当時を振り返る。

「若さゆえのノリと勢いで発言をしてはいけないと、常に思考を巡らせていましたし、メンバーが高い納得感と役割意識を持って心地よく働けるにはどうすればいいか、とても悩みました。戦略、戦術、実行と役職ごとの役割を明確化し、戦術部分は完全に各チームに任せることにしました。役割意識や業務のレイヤーを考える意識が芽生えたこの時期は、まさに今の仕事につながっていると思います」

営業部長となって試行錯誤しながらも約1年が経過したとき、光川は「ペライチの資料」を手に、当時の専務に新規事業のプレゼンをした。これが後にスキイキとなるアイデアの種だった。

「営業時代は、フリーランスのディレクターやデザイナーなど、専門的なスキルを持った方と同じチームで働く機会が多くありました。そうしたなかでフリーランスの方々は、お客さまにとって価値あるアウトプットをスピーディーに出してくださったんです。企業にとっても、必要な場面で彼・彼女らのようなスキルフルな人材をすぐにアサインできる環境が整うことは価値があるはず、と考えました」

「それなら本社で新規事業に専念してみたら」という言葉に背中を押され、2019年に本社の独立開業支援室(現:独立推進事業室)に異動。経営会議で何度もプレゼンを重ね、フィードバックをもらいながら「スキイキ」の原型は徐々に形づくられていった。光川のようなケースはマイナビではめずらしい。当然のことながら、新規事業立ち上げの経験はゼロ。そのうえでとった行動だったが、結果的にやりたいことを形にするチャンスを得たのだ。

プロ人材を仲間にできる「スキイキ」。

光川は約1年の準備期間を経て、2020年10月、フリーランスや副業者と企業のマッチングプラットフォーム「スキイキ」をリリースした。同サービスは、単に実務を担う「作業者」でなく、業務における課題をともに見つけ出し、解決方法の提案や実行までをトータルにできる「プロ人材」が、企業とマッチングできるサービスだ。

「企業サイドには、『プロ人材との契約交渉は面接ではなく“商談”です。自分たちの課題を正しく伝え、解決できるパートナーを選びましょう。お互いが評価をし合うことを忘れないでください』と伝えています。初対面の場では、自社の課題を明確に伝え、それに対して適切な提案をしてくれる人材なのかを見極めることが重要となります」

スキイキ

とはいえ、フリーランスや副業人材の扱いに慣れている企業や、リモートで連携を取る体制が整っている企業は、スキイキリリース当時は少数だった。

「企業側の課題は、主に2点です。まず、フリーランスや副業人材といった個人へ仕事を発注することに不安がある。そして、自社の課題をうまく言語化できていない。これらを払拭するため、クライアントへのヒアリングを重ね、受注後はカスタマーサクセスの担当者がプロジェクトのスタートから完遂まで並走します」

個人と一緒に働くイメージが湧かず、業務をうまく切り出せない企業も多いが、フリーランスや副業人材の強みを丁寧に伝え、ときには事業課題の解決プランを一緒につくることで、理解を促していく。こういったプロセスでは、光川が営業で培った経験が大いに生きている。

事業立ち上げで実感した、サービスの価値。

スキイキは光川にとってはじめての新規事業立ち上げであり、リリースまでの約1年は困難の連続だった。言うならば「修行」のような期間だったという。

「管理部門や経営層との折衝では、かなり苦労しました。スキイキでは、企業とプロ人材が業務委託契約を交わすことになります。マイナビにとっては新領域であり、社内ルールやリスク管理、営業戦略が確立されていませんでした」

これらは新規事業で必ずぶつかる壁ではあるが、新領域となると課題解決の難易度はグッと上がる。「こんなとき、まさにスキイキのようなサービスを活用できていたら、スピーディーにリリースできたでしょうね」と光川は当時を振り返る。

「やりたいことは明確にあるけれど、サービス設計やリリースまでの道筋が描けない。それでも折衝を繰り返すなかで、私自身の考えがブラッシュアップされていきました。ただ、こういうときに新規事業立ち上げの知識と経験を持ったプロ人材の手を借りられたら、非常に助かったと思います」

スキルや言語化能力の不足は明らかだったが、それを補う解決策が見つからなかった。苦労もまた経験ではあるが、その分、回り道したのは確かだ。そんないらぬ苦労をしないよう、スキイキでは、「ノウハウがなくあたらしい取り組みが進んでいない」「リソースが足りずに思うような成長曲線が描けていない」「でも教育コストもかけられない」などといった企業の課題に寄り添い、サポートする体制を整えていった。

プロ人材の活用があたり前の社会を目指す。

2023年10月現在、スキイキの登録者数は約37,000人。営業やマーケティング、人事労務、ITエンジニア、コンサル、金融まで幅広いプロ人材がいる。求人案件はのべ2,000件に拡大し、チームメンバーも14名となった。

「登録者は、副業者とフリーランスの方の割合がちょうど5:5ぐらい。当初の想定よりもニーズが高かった印象です。職種もバラエティに富んでいます。ただ、1つの求人に複数人が応募した場合、副業者よりもすでに契約慣れしているフリーランスが競り勝つ場合が多く、ここには課題を感じています。本業と別角度で経験を積める副業人材も増えていかないと、プロ人材の活用の幅を広げるというサービスの意義を高めづらいためです」

この問題の背景には、副業者の個人としての実績不足の傾向のみならず、全体に対して求人数が不足している状況もある。買い手市場の現状を打破するには、企業に意識改革を促す啓蒙も求められる。

「まずはミスマッチを減らし、企業にとっての成功事例をつくるのが先決です。1つでも成功すれば、社内で横展開しやすいはず。その先に、プロ人材の活用があたり前のカルチャーが醸成できればと思っています」

リリース時と比較すれば、世の中に「個の力」をうまく活用していこうという流れは出てきている。とはいえ、そういった志向を持つのは経営者や事業責任者、人事などのポジションに限定されており、現場のリーダーなどは、まだ「中途や派遣社員を雇おう、外注先を探そう」という発想になりやすい。そういった人々にこそ、繰り返しプロ人材の価値を伝えていく必要がある。

未知なる挑戦こそ、おもしろい。

光川は、「個の力」が尊重され、生かされることにより、企業や社会を前進させることができると考え、チームメンバーにもそのメッセージを繰り返し伝えている。

「理想は、企業の困り事が即日で解決するサービスです。そのためには、企業側がフリーランスや副業人材への理解があり、個人のスキルを活用する選択肢があるということが、社内で浸透している必要があります」

まさに、この即応性こそ個人ならではの強みであり、スキイキの強みでもある。募集開始から平均3週間で稼働スタートというスピード感に、光川のこだわりが表れている。

「課題解決の道筋を立て、それに合うプロ人材のアサインまでをタイムリーにできることがサービスの価値であり、守るべきところです。規模が大きくなっても現状のスピード感は変えず、むしろもっと早めることを目指します」

お客さまの課題を解決したい。そんな思いが発端だったが、スキイキ誕生の背景には光川自身が大事にしている“ある考え方”も大きく影響している。

「新入社員時代の先輩が言ってくれた『おもしろい人とおもしろい仕事をしよう』という言葉が、ずっと心に残っています。私自身の思いを言語化してくれたような気がして。あれから10年が経ちますが、頭から離れないんです」

光川にとっての仕事は、「答えがなさそうな課題に答えを出しにいく」こと。その繰り返しは刺激的であり、おもしろい。未知なる挑戦に骨が折れることがあっても、それも含めて仕事のおもしろさなのだ。

「まさにスキイキは、おもしろそうな人を集めて、一緒におもしろいことに取り組む新規事業です。『おもしろい人に認められる自分でいなければ』というプレッシャーもありつつ、ワクワクしながら毎日働くことができています」

「おもしろい人とおもしろい仕事をする」。それが光川のキャッチコピーであり、仕事の醍醐味でもあるに違いない。

株式会社マイナビ 独立推進事業室 スキルシェア事業統括部 統括部長

光川 尚輝(みつかわ・なおき)

2013年新卒入社。大阪支社の就職情報事業本部に配属され、2016年に営業課長に就任。その後、滋賀支社の立ち上げに携わり、2018年に滋賀・京都エリアの営業部長に就任。
2019年に本社の独立推進事業室 スキルシェア事業統括部に異動。統括部長として「スキイキ」の立ち上げに携わり、サービスの指揮を執る。

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