PURPOSE STORY

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「新卒採用」を通じて、熊本の企業を支える。

株式会社マイナビ 就職情報事業本部 九州・沖縄営業統括本部 九州・沖縄第2営業統括部 南九州営業部 熊本営業課 松下 晋也(まつした・しんや)

「パーパス」ってなんだろう?

「ミッション」や「経営理念」と似ているけど、ちょっと違う。
企業と社会のつながりが欠かせない今、
ビジネスシーンで“存在意義”と訳されるこの言葉が、
多くの企業に求められている。

《一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。》

これは、マイナビが掲げたパーパスとともに歩く、
社員一人ひとりの物語。





熊本県で生まれ育った松下晋也は、マイナビへ入社以来、一貫して熊本県内の新卒採用ニーズに対する営業に携わってきた。同県内では、求人広告を掲載しても採用が難しい企業が3社に1社と厳しい状況である。

しかし、自身の実体験から、たった一人の新卒社員の存在が企業に化学反応を起こし、会社全体をポジティブに変えることもあると考えて、地元への恩返しに日々奮闘している。

地元への愛着が人一倍強い彼が目指す、熊本の未来とは。

物流業界へ恩返しするため、人材業界へ。

2015年、福岡の物流企業に新卒入社した松下は、重量機工など建設分野の営業、兼現場担当となった。休日が極端に少なく、出張で九州・沖縄地方を飛び回る日々。「仕事自体は楽しめていたが、将来を考えると、この環境で働き続けるのは厳しい」と転職を決意し、選んだのがマイナビだった。

「物流・建設業界は人材不足が常態化していて、とにかく激務でした。転職先に人材業界を選んだのは、こういった業界の現状を変えたいと思ったから。人材を届けることで業界へ恩返ししようと考えました」

「昔から変化を好まない」と言う松下。だがそれは裏を返せば、一度決めたらやり抜く忍耐力を持っているということだ。

「学生時代は野球に熱中していて、高校は野球留学で県内の強豪校に入学したほどです。スポーツを通じて、多少のことでは折れないメンタリティを養えたと思います」

2018年に中途入社したマイナビで、松下が配属されたのは就職情報事業本部 熊本営業課だった。5人のチームメンバーは年下ばかり、競合にシェアを奪われた負け市場でのスタート。「当時はキツかったですね」と松下は本音を漏らす。

「メンバーより社会人経験は長いけれど社歴は浅い。そんな環境にやりづらさを感じながら始めたものの、地元に貢献したい思いは強くありました。最初に営業のテレアポをしたのは生まれ育った天草市の企業。初の新規契約を獲得できたのも天草でしたね」

3社に1社の企業が「採用ゼロ」の厳しさ。

熊本に限らず、地方における新卒採用の課題は、とにかく人材が足りないこと。入社早々、松下は厳しい現実に直面する。

「高校卒業時に県外へ流出する人が多く、年間の高校卒業者約14,000人に対して、推定の大学進学者が約7,000名、うち約半数が県外の大学へ進学します。地元に残る学生のなかで、熊本県内での勤務を希望するのが例年1,500名ほどと、各企業の採用予定数に対して学生数が不足している状態です」

新卒向け就職活動サイト「マイナビ20xx」に掲載しても、約30%の企業がたった一人の採用もできない。採用充足率(内定者数/募集人数)が100%を超える企業は、30%に満たないのだ。それ以前の課題として、ひと昔前と比較して大学進学率は上がっているものの、進学せず就職する人も少なくない。

「高校生には一人あたり約15枚の求人票が届くような、超・売り手市場です。ただ、本人ではなく、適性を見て求人票を振り分けるケースも少なくありません。当然、ミスマッチが起きて退職率が上がります。企業はノウハウの蓄積ができず、コストをかけて人材を補充しなければいけない。それなら、意欲の高い新卒社員を採用したほうが、いずれ会社のためになると思うんです」

県内に限らず、九州エリアの企業の特色として、「建設業が圧倒的に多い」ことも松下は指摘する。

「前職で私がそうだったように、常に人材不足の建設業界は労働環境が過酷になりがちです。それ以外にも、人材不足や若手が育たずに困っている企業は多くあります。そういった現場の課題を経験したからこそ、環境を変えたいという切実な思いが湧いてくるんです」

1年に1人の新卒社員が採用できたら理想的だが、現実はそうならない場合のほうが多い。だからこそ松下らは、各企業にその実情を包み隠さず伝え、「最悪でも3年を目処に1人を採用」という長期戦に臨んでいる。

コミュニケーションは自己開示から。

高齢化が進む田舎で育った松下は、子ども時代に培った「コミュニケーションスキル」が営業としての強みだと話す。会話の切り口は、「地元」に関することが自然と多くなる。

「初対面の方だと『東京の会社の人やろ?』とよく言われるのですが、『私は天草市出身です』と伝えると、実は出身高校の先輩だった、なんてことも。共通項が多いほど会話が盛り上がります。まず自己開示をして相手の警戒心をゆるめることを意識しています」

そのうえでもっとも重要なのは、とにかく相手の話を「聞く」ことだ。質問を繰り返しながら相手の本音に耳を傾けていくと、世間の採用市場とは異なる各企業の“あたり前”が見えてくる。

「お客さまが何を考え、何をしたいのか。それらをひも解いていくと、私たちの常識とは異なる点が必ずあります。そのギャップこそ企業の課題であり、それを解決できれば採用の成功確率は上がります。ギャップを発見するのが重要なんです」

自社の強みや魅力を深掘りしきれていない企業も多い。松下らは、それらを発見し、訴求することにも力を入れている。

「インタビューなどを通じて詳しく話を聞いたり、競合他社と比較したりすると、その企業ならではの強みや魅力が徐々に明確になっていきます。私たちは、企業の採用担当者と同じ目線を持ちつつも、外から見たイメージを企業に伝えるという、両方の役割を担っていますから」

5年に渡って熊本の新卒採用市場と向き合ってきた松下は、現地企業にとって新卒社員の採用が、いかに難しいかを熟知している。それでも人材を届けたいのは、一人の新卒社員には会社を変えるほどのインパクトがあるためだ。

「熊本の多くの企業の平均年齢は50歳付近かそれ以上。そんな環境にたった一人でも新卒社員入ると、化学反応が起こると思うんです。私自身が新卒入社した際も、まさにそうでした。意思を持った新卒社員を企業は大事にするし、どう受け入れて、何を学んでもらうか真剣に考えますよね」

新卒が一人でも就職する状態が実現すれば、企業も地域ももっと成長できる。そのためには、学生に働きかけるだけでなく、企業にも変化を求めなければならないと松下は考える。

「現状のアプローチとして、専門学校の建築学科で私自身の就業経験を学生に伝えたり、大学生向けの企業訪問を他部署とタイアップをして企画・実施しています。企業訪問は、あえて自身の希望とは異なる業界の企業に訪問し、インタビューを通じて魅力を発見してもらうことも目的としています。企業にとっては学生を知るきっかけになりますし、学生と会えることで担当者の新卒採用への熱量が上がります」

熊本ならではの事情と格闘しながら、学生と企業それぞれの可能性を見いだし、すり合わせ、変化と成長につなげる。その熱量は、確かな結果につながっていった。

3年連続で受賞、負け市場からの逆転。

地元への恩返しをやりがいとしてはたらく松下は、「マイナビグループ全社顕彰」で2019年から3年連続での受賞歴がある。1度目はキャリア新人賞(優秀賞)、2度目・3度目は熊本営業課としてチーム賞(金賞)を受賞している。

「キャリア新人賞に関しては、地元に対して何ができるかを考え、コミュニケーションスキルを生かせたことが大きかったかもしれません。チーム賞に関しては、2020年に負け市場からシェアをひっくり返したことが評価されたようです」

それまで熊本エリアは、数年に渡って競合他社にシェアを奪われていた。追いつけ追い越せの接戦状態がチーム全体の熱量を高め、ついに逆転に成功した。

「当時の課長がメンバーごとに地域を割り振り、その地域を責任を持って担当するという、エリア制を採用していました。合言葉はズバリ『チーム賞を取ろう』。高い温度感のままチームで走り続けられたことが、2年連続の受賞につながったと思います」

マイナビでは、2年連続のチームでの金賞受賞はめずらしいという。「当時のチームメンバー全員が泥水を飲みながら、苦しい場面を乗り越えてきました」と松下は吐露した。

「なかなか結果が出ないと、多くのお客さまは諦めムードになります。そういった場面でも、何度踏まれても立ち上がる雑草魂で、相手を鼓舞し続けていくのが私たちの役目です。なかなか採用が決まらず『もう来てくれなくていいよ』とさえ言われてしまったこともありました。それでも採用活動を続けていただき、無事採用が決まったときには、社長さんと会長さんに泣いて喜ばれました。これまででもっともうれしかった出来事ですね」

企業と地域とともに、変わり続ける。

松下は入社から約3年間プレーヤーに専念し、2021年には課長に昇進した。マネジメントのうえで松下が大事にしているのが「自主性」だ。

「基本的には、自動化された組織にしたいなと。各メンバーにレギュラーポジションとして推進してほしいことを伝え、一人ひとりに責任を持って動いてもらう。当然、一人当たりの負荷は高くなりますが、それができるチームになればさらなる成長につながるはずです」

こうした考えから、2022年にはこれまで高い成果を上げてきたエリア制を廃止。メンバー自身がエリアを選択して営業するスタイルへと、大きく舵を切ることにした。

「企業数の多いエリアには、複数のメンバーからアプローチが集中することもありますが、それが競争意識を生み、やる気がある人ほど伸びていきます。もちろん向き不向きはあるので、悩んでいるメンバーがいればサポートします」

松下が率いる熊本営業課では、2023年度のコンセプトを「もっとワクワク」としている。長く在籍するメンバーが増えていくにつれ、チームにはマンネリ化が訪れる。しかし、それではお客さまを満足させることはできない。だからこそ松下は、あたらしいチャレンジを試み続け、ワクワクする仕事をしようと決めた。自分たちが起こす小さな変化の連続が、いつしか地域全体を変える大きな変化につながることを願って。

株式会社マイナビ 就職情報事業本部 九州・沖縄営業統括本部 九州・沖縄第2営業統括部 南九州営業部 熊本営業課

松下 晋也(まつした・しんや)

2018年マイナビに中途入社。新卒情報事業の営業職に従事し、熊本県の企業様の採用成功に向けて採用戦略に携わる。2021年4月より現熊本営業課長に着任。
2019年に、「マイナビグループ全社顕彰」でキャリア新人賞(優秀賞)受賞。2020年、2021年には熊本営業課として、同顕彰でチーム賞(金賞)を2年連続受賞。出身は熊本県天草市。

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