地域医療の本音に向き合い、未来を明るくする。
「パーパス」ってなんだろう?
「ミッション」や「経営理念」と似ているけど、ちょっと違う。
企業と社会のつながりが欠かせない今、
ビジネスシーンで“存在意義”と訳されるこの言葉が、
多くの企業に求められている。
《一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。》
これは、マイナビが掲げたパーパスとともに歩く、
社員一人ひとりの物語。
マイナビのヘルスケア&ウエルネスセグメント部門において、看護師人材紹介サービスを提供する「マイナビ看護師」。日々、命と向き合う医療機関やそこで働く看護師のキャリア支援を行う、エッセンシャルな使命をもつ部門だ。
そのなかで中国・四国地方を担当するのが、2017年にマイナビに中途入社した髙松ひかり。構造的な人材不足など、都市部にもまして課題が山積みの地域医療と向き合い、「地方でも働き方の多様化を実現する」という情熱を携えながらチャレンジし続けている。こうありたい、こうあってほしいという想いを原動力に、自身のキャリアを切り拓いてきた彼女の歩みをたどってみよう。
マイナビがキラキラして見えた。
「当時の私には、その選択肢しかありませんでした」
自身のキャリア選択について、髙松はこう振り返る。広島県出身で地元愛が強かった彼女は、地元の大学に進み、地場の企業に就職することになんら迷いはなかったという。そんな髙松に転機が訪れたのは社会に出てから3年目のタイミング。働き方に思い悩んでいたときだった。
「新卒で入社した金融機関は上司との間に距離がありましたし、お金を取り扱う仕事柄、ルールや決まりが細かく設定されていて、少し息苦しさを感じていました。そんなとき、すでにマイナビで働いていた学生時代の先輩から、『マイナビは若い世代や女性、中途入社の方など多様な人材が活躍している』と聞いて、キラキラした印象をもったんです。当時勤めていた会社とは規模や風土も大きく違ったので、うまくやっていけるかは未知数でしたが、思い切ってチャレンジしました」
そうして2017年9月にマイナビへ入社し、広島支社のアルバイト情報事業本部に配属となった髙松。「マイナビバイト」の求人広告営業職を担当し、最初はテレアポから営業の世界に飛び込んだ。年齢や役職を超えてフラットに、目標に対して一丸となって取り組むマイナビの職場は、まさに髙松が思い描いていたものだったが、企業文化に馴染むまでは時間がかかったとはにかむ。
「働く環境はもちろん、上司のことを役職名で呼ばないといったカルチャーですら新鮮で、驚きの連続でした。それでも半年ほど経つと、私の特性や今後のキャリアについて、上司やチームの仲間も考え、見守ってくれていることがわかるようになり、本当にありがたく感じました。そんなこともあって『一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。』というパーパスを聞いたときは、すごく腑に落ちました。マイナビは、事業内容はもちろん、組織としてもそれを体現している会社だと感じています」
未知の世界へ飛び込み、夢中で仕事を覚えた。
マイナビで営業の世界に飛び込んでから1年が経ったころ、髙松に「愛媛支社への転勤」というつぎなるチャレンジの機会が訪れた。
「地元を出て、初の一人暮らし。不安しかありませんでしたが、いざ行ってみたらとてもよい経験になりました。愛媛のメンバーは、私のように他県から来た人が約7割。年齢が近いこともあって、仕事ではお互いを高め合いながら、週末は温泉に行ったりバーベキューをしたりと、プライベートでも一緒にたくさんの時間を過ごしました。そんな仲間の支えもあって社会人としても自立し、成長できたように思います」
しかし、愛媛での生活に愛着を持ち始めたのも束の間、2019年5月には、医療・福祉エージェント事業本部への人事異動が伝えられ、再び広島へ異動となった。それまでの人生で医療の世界に関わることが皆無だった髙松は、当時を振り返り「正直、戸惑いました」と苦笑いを浮かべる。医療業界へ進むことはもちろん、媒体営業から人材紹介へと自分自身のロールが変化することに困惑したそうだ。
「『マイナビ看護師』のリクルーティングアドバイザー兼キャリアアドバイザーとして、看護師の採用と転職をサポートすることになりました。病院やクリニックといったお客さまに対しては、採用課題に向き合い、人材紹介から広告媒体の提案まで、多角的に支援します。とにかく業界の空気を掴むために、求職者に電話をかけたり、医療機関のアポイントに行ったり、ときには病棟内に入ったりもしながら、夢中で仕事をおぼえていきました」
地域医療への貢献が、自信につながった。
マイナビ入社以降、つぎからつぎへと出会っていったあらたな働き方。最初こそ驚きながらも、髙松はいつも前向きに自分が関わる意義を見出してきた。
「人材紹介の仕事は、定性・定量いろいろな軸がありつつも、ゴールが比較的はっきりしているところが自分に合っていると思いました。私はゴールに向かって突っ走ることのできる環境にやりがいを感じるんです。そして、これから自分の取り組むことが明確なのであれば役職者になりたい。そう思い、課長を目指すことに決めました」目標を掲げて1年、髙松は見事、中国・四国地方で1位の営業成績をおさめ、30歳で課長に就任した。
一方、髙松が向き合う看護業界の人材を巡る状況は逼迫している。看護師が国家資格を持つ専門職であることに加え、少子高齢化や業務過多による慢性的な人手不足の状況が続いているのだ。
「看護師業界は他業界と比べて転職者が多く、人材の動きも流動的。変化が激しいのが特徴です。日々命と向き合われている医療機関と看護師、双方に寄り添う私たちにもタフさが求められます」
なかでも、髙松が現在担当する中国・四国地方などの地域医療は特に課題が多い。給与面の問題や、総合医療の現場で働きたいといったニーズから、求職者が県外へ流出しやすい傾向にあるのだ。
「地域の医療機関は、構造的な問題もあって人材が集まらず、売上が低迷。さらに求職者に提示できる条件面が厳しくなり、採用に苦戦し続けるという負のスパイラルがあります。しかし、そんな状況に陥った医療機関の採用支援として、採用サイト作成のための取材から面接の対応までほぼすべてに携わらせていただいた結果、安定して人材を確保できるようになった経験もあります。決して失ってはならない貴重な地域医療に貢献できたことは、いまの自分の自信にもつながっていると思います」
直接「会う」姿勢で、本音を引き出す。
髙松は、地域外からの人材流入を狙った「トラベルナース」の施策提案にも注力している。経営者が高齢で存続があやぶまれる医療機関に対しては、経営支援を担う部署につなげるなど、マイナビ内での連携にも積極的だ。
ビハインドな環境で、看護師の求人課題に果敢に取り組む髙松が大事にしていること、それは直接「会う」姿勢だという。
「勤務地の広島からクライアントがいる愛媛や高知まで、片道数時間かかるので月に何度も訪れることはできませんが、できる限り伺うようにしています。そうすることで、『はじめて直接会いに来てくれた』と、抱えている課題や本音をフランクに話してくださることもあるんです」
看護師業界の採用面接は1回で完了することが多い。それはつまり、面接に至るまでの企業と求職者のマッチング度合いが重要であるということ。その精度を高めるため、お客さまに直接会って情報を収集し、関係性を構築している。また、髙松は求職者に対しても面談を重視している。
「『本音で喋ることができた』『安心して相談できる』といった声をいただくことに、嬉しさがあります。私自身、看護師の方とリアルに向き合うなかで、求職者が本音を言えていなかったり、ご本人も認識していないところに本当のニーズがあったりすることに気づきました。信頼関係を構築しながらそれらを引き出すことで、入職後のミスマッチの防止や定着率アップにつなげられると感じています」
身近なところから、多様な働き方を実現する。
明確な目標に向かって、きめ細やかに人と向き合う髙松の姿勢はメンバーのマネジメントにも生かされている。
「管理職になった今、4人いるメンバーとは週に1度、30分間の1on1面談を必ず設けるようにしています。正直かなりエネルギーを使いますが、個別の時間だからこそ引き出せる悩みや意見があると思っていて。そこで出てきた視点をチーム運営に反映させることで、メンバーがひとりで問題を抱え込まず、安心してチームに所属できる雰囲気をつくれればと考えています」
理想的な上司役を務めているように見える髙松だが、はじめてのマネジメントに、最初は小さな葛藤もあったと語る。
「私のもとにいるメンバーは全員が女性です。管理職になって彼女たちと向き合うなかで、同性であっても働き方の軸がさまざまであること、それを自分がまったく知らなかったことに衝撃を受けました。たとえば、私が課長を目指すときに重視したのはシンプルに給与面でしたが(笑)、プライベートに重きをおきたい社員もいます。あまり女性、男性とカテゴライズしたくはありませんが、女性の方がライフイベントによる変化が大きいこともあってか、働くうえで大事にしている軸が複雑に絡み合いやすいように感じます」
管理職になって大きな気づきを得た髙松が現在掲げている目標は、「地方でも働き方の多様化を実現する」だ。
「やはり地方は、都市部に比べて女性がキャリアに悩んだときの選択肢が少ないように思います。そのような状況で、率先してマイナビが地方でも多様な働き方を叶えていく。そんな企業になれたら、地域の女性の離職率低下に貢献できるはずです」
そのような働き方の多様化を、髙松は自分から始めようとしている。
「たとえば、営業の最前線で働くことが難しくなったメンバーにはあらたに営業サポートを担ってもらうなど、よりその人に合ったマイナビの領域へのキャリアパスを案内できるのは、総合的な企業ならではの強みだと思います。まずは身近なところから、多様な働き方を実現できるよう上司にも話をしています」
現状、看護師の多くは女性が占める。髙松が得た、女性の働き方に対する価値観への理解は、看護師の求人サポートという職務にもきっと還元されている。
「マイナビは一人ひとりの人生に向き合う会社。だからこそ提示できることがたくさんあるように思います」と力強く言う髙松。転職時、キラキラして見えたマイナビで自身の可能性を更新してきた彼女は、これからも、チームメンバーや地域医療の未来に、多くの希望の光を見出していくだろう。
株式会社マイナビ 医療・福祉エージェント事業本部 看護領域西日本統括部 第1営業部 中四国営業所 広島営業2課
髙松 ひかり(たかまつ・ひかり)
2017年マイナビに中途入社。広島支社でアルバイト情報事業本部のメディア営業に従事したのち、愛媛支社へ異動。
2019年5月からは医療・福祉エージェント事業本部、広島支社に配属となり、「マイナビ看護師」のリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを務める。2022年、課長に昇進し現在に至る。