PURPOSE STORY

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豊かな暮らしを実現するため、医療・福祉でNo.1のサービスを。

株式会社マイナビ 医療・福祉エージェント事業本部 統括部長(マイナビコメディカル・マイナビ保育士 領域長) 加藤 邦幸(かとう・くにゆき)

「パーパス」ってなんだろう?

「ミッション」や「経営理念」と似ているけど、ちょっと違う。
企業と社会のつながりが欠かせない今、
ビジネスシーンで“存在意義”と訳されるこの言葉が、
多くの企業に求められている。

《一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。》

これは、マイナビが掲げたパーパスとともに歩く、
社員一人ひとりの物語。





2009年の新卒入社以来、加藤邦幸は一貫して「医療・福祉」のフィールドで勝負してきた。現在は、医師、看護師、薬剤師を除いた医療従事者向けの転職支援サービス「マイナビコメディカル」と保育士向けの転職支援サービス「マイナビ保育士」の2つのサービスの全国の営業担当を統括している。

加藤が自身のパーパスとするのは、担当する2つのサービスを量と質の両軸でNo.1に成長させ、サービスを通じて全方位に価値を提供すること。自身の歩みを振り返りながら、加藤は思い描く理想の未来を語り始めた。

人材業界で働く人々に魅力を感じた。

2009年に、当時マイナビのグループ会社であった毎日キャリアバンク(2012年に株式会社マイナビに吸収合併)に新卒入社した加藤は、その年に立ち上がった看護師向けの転職支援サービス「マイナビ看護師」の営業職に配属された。そのあと8年間従事したのちに東日本エリアの営業責任者を任される。

2019年には、新サービスとして立ち上がった「マイナビ介護職」の全国の営業統括責任者も経験。2021年に「マイナビコメディカル」、2022年に「マイナビ保育士」の全国の営業統括責任者となり、現在に至る。

「入社の決め手はなんだったのか」とたずねると、面白い答えが返ってきた。

「私は非常に偉そうな学生で、入社前の面談時に『トップ営業の方に会わせてください』と申し出ました。すると、毎日キャリアバンクの人事はこのワガママなお願いを快く受け入れてくれたんです」

そもそも加藤が人材業界を志望したのも、この業界で働く人々に魅力を感じたからだったという。

「当時は特に業界を絞らず、さまざまな企業を見てまわりました。そのなかで私がお会いした人材業界の方たちは、みなさん自発的な目標や道標をしっかりもっていて、シンプルに魅力的でした」

「現場主義」で、経営層のニーズを読み解く。

医療・福祉業界一筋でキャリアを積んできた加藤の現在の役割は、全国の営業組織を統括することだ。各サービスの転職希望者をあらたな就業先へと導くキャリアアドバイザー、また、医療機関や保育施設への営業を担うリクルーティングアドバイザーを束ねている。

「各地にいるクライアントの課題解決を目指し、管理職・メンバーと一緒に最善を尽くすことが私の役割です。そのなかで大事にしているのが“現場主義”。各地の営業に同行し、医療機関や保育施設の管理職や経営者の方に直接お会いすることで、現場の課題を吸い上げています」

少子高齢社会の影響などにより、現場のニーズは刻一刻と変化している。都市部と地方都市の課題の違いもある。だからこそ、現場を直接見て、クライアントと対話して、課題を深く理解したうえでジャッジを下す。その過程に時間や工数をかけていることがマイナビの強みの一つだと、加藤は主張する。

「私がお会いするのは経営層などが中心で、その方々へのヒアリングを通じて人材課題のみならず経営課題を把握し、適切なアプローチ方法を考えます。例えば保育業界だと、昨今、都市部では待機児童が減少しており、数年前にあった保育園開設のラッシュも落ち着きました。採用する側も以前ほどの採用人数は必要なくなると、採用の質を求める傾向になります。私たちはそのニーズの変化に対応しながら、コンサルテイング的な要素を含めた提案をすることも求められるんです」

以前は保育士側が転職先を選べる売り手市場だったが、ここから数年は転換期と予想されており、売り手・買い手のバランスもまさに変化してきている。また、医療従事者の採用では、人手不足が常態化しつつも人材に求める要件がシビアになる。一方で、人材不足に陥りづらい栄養士などの職種は、買い手市場の傾向がある。

「ひと言で医療・福祉といっても、職種によって市況は大きく異なります。それらをよく理解したうえで、各サービスのスタンスを変えていかなければいけないのは、この業界の難しさかもしれません」

メンバーと「深い価値観」を共有する。

加藤が現在も現場に出るのは、市況やクライアントのニーズを理解できるからという側面が大きい。加えて、メンバーが生き生きと働ける組織づくりにつなげるといった狙いもある。

「私は相手の人となりや価値観を理解して、任せる仕事を判断したり、メンバーの意欲を引き出したりしたい。営業に同行して彼・彼女らと一定の時間をともにすると、そういった信念のようなものが見えてくるんですよ」

さらに、加藤はメンバーを知るために、価値観を共有するオリジナルシートも作成している。

「このシートには、『これまでの人生における成功体験』や『自分が誇りに思っていること』など、メンバーそれぞれがもつ価値観を知れるような質問事項を8つほど設けています。入社後にこのシートを埋めてもらい、そのうえで面談をすると相手のルーツまで知ることができるので、一人ひとりを伸ばしていくうえで非常に役立っていますね」

若手社員を育成するにあたっては、なるべく最初から苦手なことをさせないよう配慮をしつつ、好きなことや強みを伸ばすことを重視していると、加藤は言う。

「社会的にも、近年は『自分らしさを大切に、強みを生かす』といった傾向が見られますよね。そうした方向に成長させるには、一人ひとりを深く知らないといけない。メンバーの小さな変化に気づいたり、『がんばっているね』とひと言かけたり、それぞれのやる気を引き出せる上司になりたいなと」

加藤は、野心をもつメンバーがチャレンジしやすい雰囲気づくりも大事にしている。そのうえで実践しているのは、結果と同様に挑戦する姿勢を褒めることだ。

「定期の振り返り会議では、何かにチャレンジしているメンバーの名前を出して称賛するようにしています。例え1回で結果を勝ち取れなくとも、勝ちを得るために自分で決めたことをやりきって行動していたら、その姿勢がいいよねと。そういう姿勢は成功への第一歩目であり、提供するサービスの質向上にもつながっていくと思います。だからこそ、恐れずにチャレンジできるような環境をつくっていきたいですね」

大失敗から学び、スタンスを変えた。

一人ひとりの個性を大事にしながら、成長を後押しする。加藤がこう考えるようになった背景には、ある失敗談があった。

「かれこれ10年ほど前に、『あなたの下で仕事をしたくない』と言って退職していったメンバーがいました。もともと、私は数字執着型で、全員を目標数値にコミットさせることで、成果を上げた経験があります。そのやり方に固執した結果、メンバーの一人が耐えきれずに辞めてしまったんです」

当時も一人ひとりの価値観を尊重している自負があったけれど、それは思い上がりだった。メンバーの気持ちを理解しているつもりでも、実際はできていなかった。そうした反省から、加藤は自身のスタンスを変えていった。

「全員が異なる考え方や価値観をもっていて、売上を追求したい人もいれば、ワークライフバランスを大事にしたい人もいる。もちろん営業職として目標数値は決めますが、それは自身がどう活躍するのかの軸で決めていい。そのように方針転換しました」

上司は最短でメンバーを成長させたいと考えるのが当然。ただ、成長速度は一人ひとり異なる。それを受け入れ、半歩の成長でも称え、ともに喜ぶ。現在の加藤は、そんな姿勢でメンバーの育成にあたっている。

「例えば、過去最高売上が100万円のメンバーには、200万を目指してほしいというのが上司の願い。でも、なかなか達成できない人もいます。ここで重要なのは、それが過去最高売上である101万円になったときに喜んであげられるかどうか。大事なのは『できなかったことができるようになった』というのを成長として認めてあげることなんです。それがメンバーの自信になり、次はもっと高い目標を掲げたい、期待に応えたいと思ってくれるケースもあるので、『それぞれのキャリアハイ』を称賛し、広い心でメンバーの成長を支援するように心がけています」

量・質No.1のサービスから、安心して暮らせる社会へ。

入社から14年、キャリアのすべてを医療・福祉業界に費やしてもなお、「飽きる暇がないんです」と加藤は笑う。「量・質の両軸でNo.1のサービスを、全方位に提供する」、これが彼のパーパスであり、その到達にはまだ道半ばであるという。

「マイナビが関わり満足していただけるクライアントをどれだけ増やしていけるか、マイナビのサービスによってどれだけ不足や空白を埋められるか、そこが肝だと思っています。究極の目標はマイナビが『インフラ』になることですね」

加藤が目指す先はどこまでも高く、そのような高い山に登るには、健全なチームが欠かせない。

「クライアントに価値を届けるには、まずは土台、従業員が満足する組織づくりから。基本的なことですが、私は『笑顔』を大切にしています。上司が笑顔でいたらチームの雰囲気が良くなり、お客さまに対しても自然な笑顔で接することができるはず。心が常に前を向いている健全な状態をつくり、サービスの質を上げていきたいです」

自身が成長するにつれて、最近はこの領域がもつ社会貢献性も見えてきた、と加藤は言う。

「ここ数年、自分の家族が病院や保育園にお世話になり、私生活でも医療・福祉業界の方々に支えてもらう機会が増えました。そうなると、現場の声を真摯に受け止め、価値をつくり出していきたいという思いが一層強まります」

量と質の両輪を回しながら、クライアントと求職者が求める最適なサービスを提供する。そうして医療・福祉に携わる人々を豊かにすることが、ゆくゆくは自分たちが安心して暮らせる社会へとつながっていく。想い描く理想の未来へ、誰よりも早く。でも、みんなを笑顔にしながら。迷いなく二兎を追うポジティブな貪欲さが彼を前へ前へと突き動かしている。

株式会社マイナビ 医療・福祉エージェント事業本部 統括部長(マイナビコメディカル・マイナビ保育士 領域長)

加藤 邦幸(かとう・くにゆき)

2009年、マイナビグループ会社の毎日キャリアバンク(当時)に新卒入社。「マイナビ看護師」の営業職に従事したのち、東日本の営業責任者を務める。
2019年にマイナビ介護職の全国営業責任者も経験。2021年に「マイナビコメディカル」、2022年に「マイナビ保育士」の全国営業責任者となり、現在に至る。

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