PURPOSE STORY

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農業の課題解決を通して、いい「循環」をつくり出す。

株式会社マイナビ 地域活性CSV事業部 農業活性営業部 総合企画営業2課 冨田 加奈(とみた・かな)

「パーパス」ってなんだろう?

「ミッション」や「経営理念」と似ているけど、ちょっと違う。
企業と社会のつながりが欠かせない今、
ビジネスシーンで“存在意義”と訳されるこの言葉が、
多くの企業に求められている。

《一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。》

これは、マイナビが掲げたパーパスとともに歩く、
社員一人ひとりの物語。





マイナビの地域活性CSV事業部が手がける、国内最大規模の農業総合情報サイト「マイナビ農業」。

一次産業に関わるすべての人に向けた情報を提供する〈メディア〉としての役割と、企業、官公庁、農業法人といったクライアントに対して、メディアパワーを生かしたPRやプロモーション、人材採用など、多様な手法で一次産業の課題解決をするための〈サービス〉も提供する、ユニークなWebサイトだ。

同サイトにおいて主に後者の領域で活躍するのが、東京エリアを中心に民間企業の営業を担当する冨田加奈。立ち上げメンバーである彼女が語る、自身と「マイナビ農業」、それぞれのパーパスとは。

「人生の転機」に寄り添うために、マイナビへ。

「『農業』は私の人生のなかではそれまでほとんど関わることがない領域でした」

日々私たちが口にする食糧を生産する農業。エッセンシャルな仕事でありながら、農業のリアルと可能性について知る人は多くはないのかもしれない。「マイナビ農業」の立ち上げメンバーで、今は営業課長としてチームを率いる冨田も、かつては農業と距離を感じていたという。

「新卒ではハウスメーカーに就職し、6年勤めました。住宅購入という、お客さまの人生の転機に携われることにやりがいを感じていましたが、より一人ひとりに寄り添う仕事がしたいと考え、マイナビを志望しました。暮らしや人生をサポートする事業を手がける企業だけあって、組織のあり方や働き方が進んでいたのも魅力でしたね」

そうして2016年3月、マイナビに入社し、現事業部の前身である「地域のコミュニティデザイン事業部」へ配属となった冨田。「地域の課題解決」というミッションのもと、公共事業の運営や動員に携わり、イベントを通した学生団体や教育関係者との連携に、特に力を入れてきた。

「希望していた営業職ではなかったものの、地域に根ざして『移住』『キャリア形成』など人生の大きな選択に関わることができる仕事内容に、やりがいを見出すことができました。その中のひとつに『農業』のキーワードがありましたが、当時はまだ“自分ごと”ではありませんでしたね」

「情報発信」だけでなく「課題解決」できる農業サイトを。

そんな冨田に、当時の事業部長から「『マイナビ農業』というサイトを立ち上げるから、営業をやってほしい」との声がかかった。2017年6月、ローンチ予定のわずか2ヶ月前のことだ。

「農業分野も営業もはじめてのことで、不安がなかったといえば嘘になります。しかし、『もらったチャンスには前向きに挑戦する』がモットーのため、まずはやってみようと心を決めました。立ち上げ時の営業担当は、事業部長と部長と私の3人からのスタートでした」

当時のマイナビとしても、農業分野への参入は初の試みだった。新規事業であった「マイナビ農業」であるが、立ち上げチームはこのプロジェクトにどのような“可能性の芽”を感じていたのだろうか?

「地域のコミュニティデザイン事業部の業務を進めるなかで、担い手不足や労働環境の改善の必要など、農業を巡るさまざまな問題が生まれてくるのは、この分野の情報発信不足がひとつの原因ではないかという考えに至りました。さらに、当時はWeb上に農業に関する情報が集まるポータルサイトのような存在がなかったため、『なければ自分たちでつくろう』と。マイナビらしい始まり方だったと思います」

当時珍しかった「農業×Web」の発想だが、今では少なくない数の農業系Webメディアが登場している。中でも「マイナビ農業」は〈メディア〉のみならず、クライアントの課題を解決するための〈サービス〉としての役割を持つ点で独自性があり、それも“マイナビらしさ”のように思える。

「課題解決までを目指すのは、きっと前身の事業部からも引き継がれた姿勢ですね。私たちは生産者と農業分野のクライアント、双方の課題解決に貢献したいと強く考えています。そして、両者をつなぐハブとなるのが『マイナビ農業』という場でなければならないと。求人だけではなく、農業や地域に関するプロモーション、インターンシップ、イベント、経営・人材育成支援、知識向上の研修など、幅広いソリューションをご提供できるのが私たちの強みです」

「マイナビ農業」だからできることを丁寧に伝える。

突如、営業職として冨田が飛び込むことになった農業の世界。一般的に同分野のクライアントはどのような課題を抱えているのだろうか。

「特に立ち上げ当初は、Web上で農業関係者に向けた情報発信経験がないというお客さまが大多数でした。Webの浸透が遅かった農業分野では、独自に販路を切り拓かれたり、みずから情報を取って発信できる方はいいのですが、高齢化などの理由でWebを活用できておらず、ビジネスとしての可能性が狭まっているケースがあったんです」

「マイナビ農業」はまさにその課題解決を担おうとしていたが、営業先ではWeb媒体ということで、抵抗感を示されることも多かったという。

「マイナビは人材事業のイメージが大きいこともあり、『マイナビ農業』も、求人を掲載するためだけのサイトと認識されることも多くありました。特にサイトローンチ前の営業では、『生産者や農業系クライアントの課題解決をお手伝いする』という私たちのやりたいことが伝わらない辛さがありましたね……。実際に完成したサイトをお見せするまでは、伝えきれない部分も多かったです」

はじめての営業職で、業界に浸透していないアイデアを提案するのは、さぞかし大変なことだったと想像するが、当時を振り返る冨田の表情は明るい。

「立ち上げ初期からそうなのですが、たとえ苦戦しているときであっても、お客さまと話しているときがやっぱり一番楽しいですね。心がけているのが『これもお願いしていい?』『こういうときってどうしてる?』といったご相談を受けやすい存在であること。こういったお言葉をいただけたとき、『マイナビ農業』の意義を感じます」

Web領域ならではの知識を学び続けていく。

東京エリアを中心に、農機メーカーや農薬メーカーなどを担当しながら農業分野への知見を深めて、「マイナビ農業」の営業領域を切り拓いていった冨田。2018年12月には、産休・育休のためチームをいったん離れることになった。

「職場復帰すると年次の若い社員が増えていて、焦りを感じた時期もありました。自分は事業部のことをよく理解していると思っていたけれど、もしかしたらどんどん仕事は変化しているのかもしれないと。またイチから業務について勉強しようと考え、まずは興味があったWebマーケティングやSNS活用から学び直しました」

冨田の休業中は、組織だけでなくクライアント側の変化もあった。農業関係者全体のデジタルリテラシーが上がり、立ち上げ当初と比べて、Web展開に関して解像度の高い発注が寄せられるようになったのだ。

「営業を始めた当初『農業のメディアなのに、こんなことも知らないのか』とお客さまに怒られたことがありました。それを教訓に、仕事において目線を高く持てるよう努力しています。できる限りにはなりますが、Webの知識をアップデートすることもその一つです。おかげで、産休・育休前には受注できなかったSNS運用の案件を任せていただくことができ、現在も担当し続けることができています」

変わらない面もあった。農業分野は紙文化が根強く、新聞・雑誌が競合になることもいまだに多い。

「Webでないと、『マイナビ農業』でないとできないことを丁寧に伝えるようにしています。営業資料もどのぐらい見てもらえたか、どれくらいコンバージョンしたか(サイト運営者が求めるアクションをサイト訪問者がとったか)についても明快にして、私たちに任せていただくメリットをお客さまに理解してもらいやすくすることに、こだわっています」

「企画にありません」とは言わないチームに。

営業は3人で始まった「マイナビ農業」チームは、2024年1月時点で総勢60人を数える。冨田からみて、組織としての特徴はあるのだろうか。

「人数が増えたとはいえ、ほかの事業部と比べると小規模で、全員の顔と名前が一致します。それぞれ何ができるか、何をやっているのかを互いに把握できているため、何か発生したときの機動力や提案力が高いですね。またコンパクトな組織な分、アウトプットの仕方も担当業務ごとの垣根がありません。私自身も営業ではあるのですが、イベント運営や動画の制作進行に入ることもあり、望めばなんでもやりたいことにチャレンジできる環境です」

2022年4月には課長職に就任して、部下を持つ立場にもなった。

「YouTuberとのタイアップ企画など、若手の柔軟な発想から学ぶことも多いです。うちのメンバーを見ていて思うのは、何かご相談を受けたときに『企画にないからできません』という人が誰もいないこと。実績のあり/なしに関わらず、自分たちのリソースをフルに使って、お客さまの課題解決につなげようとする意識が根付いているのが自慢です。立ち上げメンバーとしても、このカルチャーは今後も大事に引き継いでいきたいですね」

最後に冨田個人としてのパーパスを尋ねてみた。

「私自身が仕事を楽しむことで、まわりにもいい仕事を届ける。そういった循環をつくっていきたいです。“循環”は事業においても意識している考え方で、『マイナビ農業』をハブとして、農業に関する情報発信や課題解決を通して農業界全体が豊かになっていくような、そんなしくみを構築していきたい想いがあります」

農業の可能性にとことん向き合い、生産者にとっても農業系企業にとっても未来が見える、持続可能的な農業をつくっていくこと。冨田の仕事は、まさにマイナビのパーパスを農業分野で体現していくものとなるだろう。

株式会社マイナビ 地域活性CSV事業部 農業活性営業部 総合企画営業2課

冨田 加奈(とみた・かな)

2016年3月、マイナビ入社。現事業部の前身である地域のコミュニティデザイン事業部へ配属。公共事業の運営や動員に携わり、特にイベント動員では学生団体や大学教授との連携を行う。
2017年7月、「マイナビ農業」の立ち上げとともに営業職へ転身。の営業担当として東京エリアを中心とした民間企業の営業に従事。2022年4月、課長職へ昇進。現在に至る。

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