PURPOSE STORY

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マイナビのパーパスをデジタルで描く。

株式会社マイナビ  デジタルテクノロジー戦略本部 ビジネスイノベーション統括本部 開発企画部 鈴木 拓暁(すずき・ひろあき)

株式会社マイナビ  DXデザイン事業部 DXデザイン プロジェクトマネジメント第2チーム 石原 一麻(いしはら・かずま)

株式会社マイナビ  デジタルテクノロジー戦略本部 エンジニアリング統括本部 ITディベロップメント第1統括部 ITディベロップメント部 櫻井 俊介(さくらい・しゅんすけ)

株式会社マイナビ  デジタルテクノロジー戦略本部 CXマーケティング統括本部 コンテンツプランニング統括部 UXデザイン部 本澤 駿(ほんざわ・しゅん)

「パーパス」ってなんだろう?

「ミッション」や「経営理念」と似ているけど、ちょっと違う。
企業と社会のつながりが欠かせない今、
ビジネスシーンで“存在意義”と訳されるこの言葉が、
多くの企業に求められている。

《一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。》

これは、マイナビが掲げたパーパスとともに歩く、
社員一人ひとりの物語。





2023年10月、マイナビ創業50周年に際してマイナビグループ社内でローンチされた「MYパーパス特設サイト」。デジタルテクノロジー戦略本部(通称「デジ戦」)が中心となり、海外のエンジニアチームも交えて開発を進めた本サイトは、社員がみずからのパーパスを開示し、それによって横のつながりを深める、いわばデジタル上の“交差点”だ。

社員がパーパスを身近に感じられるよう、「とっておきの仕掛け」も施されている本サイト。プロジェクトメンバー4名に、立ち上げの経緯やサイトに込めた想いについて聞いた。

パーパスを共有することで社員同士のつながりを深めたい。

「MYパーパス特設サイトの立ち上げは、これからの未来に向けた、マイナビの変化を象徴する取り組みだと思っています。このサイトを通じて社員同士のつながりが深まれば、新規事業や部門横断プロジェクトが生まれやすくなるのではないでしょうか」

デジタルテクノロジー戦略本部の鈴木は、MYパーパス特設サイトの意義についてこう話す。本サイトは、社員一人ひとりが自分の言葉で自身の働く意義を言語化し、共有するプラットフォームだ。2023年8月にプロジェクトが立ち上がってから、鈴木は技術アドバイザーとして、エンジニアチームのマネジメントに尽力してきた。

デジタルテクノロジー戦略本部 ビジネスイノベーション統括本部 開発企画部 鈴木 拓暁

そもそも、本プロジェクトはどのようにして立ち上がったのだろうか。その経緯について、サイトデザインを手掛けた本澤はつぎのように説明する。

「プロジェクト始動のきっかけには、私が所属するUXデザイン部で、内製化を推進していこうという話が持ち上がったことが関係しています。その手始めとしてマイナビ50周年の社内向けサイトの事業部内コンペに参加することに。『一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。』というマイナビのパーパスをどう表現したらいいかが議論されるなか、この企画が採用されました」

デジタルテクノロジー戦略本部 CXマーケティング統括本部 コンテンツプランニング統括部 UXデザイン部 本澤 駿

MYパーパス特設サイトの主な目的は、パーパスを通じて社員同士の横のつながりを深めること。社員それぞれがサイト上でパーパスを入力し、それらのピースが集まると「アニバーサリーアート」として1枚の絵が完成する、という仕掛けが施されている。技術的難易度は高いものの、50周年を機にこうした取り組みに挑めることは、本澤たちが所属するデジタルテクノロジー戦略本部としても意味があるという。

MYパーパス特設サイト

“コミュニケーション”がプロジェクト推進のカギ。

デジタルテクノロジー戦略本部が立ち上がったのは、2022年10月。同部では、データやシステム、人材などアセットの“全社最適”を図り、イノベーションをより大きなスケールで前に進めていく「Drive Digital Innovation(デジタル・イノベーションの推進)」をミッションに掲げている。

「デジタルテクノロジー戦略本部は、これまで事業部ごとに存在していたITとWebマーケティングの担当部署をひとつに統合した組織です。アプリケーションやインフラなど専門性の異なるエンジニアが集まっており、MYパーパス特設サイトの開発がスタートした当初は、コミュニケーションがなかなかうまくいきませんでした」

プロジェクト初期の苦労についてそう語るのは、開発リーダーを務めた櫻井俊介だ。自分一人では開発を推進していけないと判断し、協力を仰いだ結果、プロジェクトマネージャーとしてDXデザイン事業部の石原がメンバーに加わることになったという。

デジタルテクノロジー戦略本部 エンジニアリング統括本部 ITディベロップメント第1統括部 ITディベロップメント部 櫻井 俊介

「メンバーはマイナビ社内だけで12名。特にデジ戦は中途入社のメンバーが多く、お互いについて深く知らない、フリーアドレスを採用していることもあり誰がどこにいるかすらわからない、という状況で、コミュニケーションは大きな課題でしたね。そこで、アナログな手法ですが、メンバー一人ひとりに会いに行ったり、電話で話したりして、進捗を把握するところから始めたんです。全体会議や分科会を設定し、方針を決めてから、ようやくプロジェクトが回るようになりました」

石原は、進捗管理やコミュニケーション管理のほか、ベトナムに開発拠点があるグループ会社「NAL Solutions(ナル・ソリューションズ)」との連携役も務めている。

「NAL Solutionsは高い技術力を持ったエンジニア集団です。こちらの要望をしっかり形にしてくれますし、より効率的なやり方を提案してくれます。ベトナムの方の性質かもしれませんが、真面目に一生懸命取り組んでくれるメンバーが多いので、非常に助かりました」

DXデザイン事業部 DXデザイン プロジェクトマネジメント第2チーム 石原 一麻

内製化のメリットは「省コスト」と「スピード感」。

MYパーパス特設サイトは、社員それぞれがMYパーパスを入力することではじめて機能する。アクションを促すには“入力したくなる仕掛け”が必要だ。「みんなでアニバーサリーアートを完成させる」というゴール設定も、その仕掛けのひとつ。ほかにも、社員がより楽しみながら入力できるよう、さまざまな工夫を施していると櫻井は話す。

「MYパーパスを入力すると、その内容にもとづいてAIがハッシュタグを自動生成します。このハッシュタグから、同じワードを設定している人が探せる。簡単に言えば、自分と同じようなパーパスを描いている人とつながることができるんです」

また、今後はAIによる自動生成でMYパーパスを絵として表現する機能もリリース予定だという。

「AIにMYパーパスのテキストを読み込ませて、内容に即したオリジナル画像を生成しようという取り組みです。自分のパーパスがどんな絵になるか、興味が湧く人も多いのではないでしょうか。なかには、AIの技術そのものに興味を持つ人もいるはず。ただ楽しんでもらうだけでなく、デジタルテクノロジー戦略本部の技術を社内にアピールする機会になればと思っています」

櫻井が言うとおり、MYパーパス特設サイトは、デジタルテクノロジー戦略本部のプロモーションといった側面も持ち合わせている。では、なぜプロモーションが必要なのだろうか?

「マイナビではこれまで、システムやデザインを外注することが多かったんです。デジタルテクノロジー戦略本部が立ち上がってから内製化も少しずつ進んできていますが、正直なところ『デジ戦って何ができるの?』という人もまだ多い印象です」

問いかけに対し、本澤はこのように答える。マイナビでは創業以来、データ管理やサービスの開発・運用を部門ごとに縦割りで展開してきた。ITやWebマーケティングの担当部署も事業部ごとにおいていたため、人材やコスト面での重複作業が生じていたのだ。そのカルチャーは根強く、内製化を進めていくうえでの大きな課題となっているという。

「デジ戦の本領を発揮するためにも、私たち自身が内製化のメリットをアピールし、事業部と温度感を合わせていかなければならないと感じています」

MYパーパス特設サイトの開発期間はおよそ2ヶ月。「もし外注していたら、方針を決めるだけで2ヶ月が過ぎていたと思います」と、鈴木は言う。その言葉に頷きながら、櫻井もこう続ける。

「提案レベルのことをすぐ試せるのは、内製化のメリットのひとつですね。『こういうことはできますか?』と相談されたときも、すぐにデモを見せられます。MYパーパス特設サイトでは、人事や社員データを管理している事業部に協力してもらうなど、各方面との調整が不可欠でした。内製だからこそ、これほどの短期間でスムーズに進められたのだと思います」

本澤によれば、MYパーパス特設サイトのローンチ以降、デジタルテクノロジー戦略本部への発注に関する相談は少しずつ増えているという。

「デジ戦に対して、どういった経路で声をかけていいかわからない、どんなことができるかわからないから頼みにくい、といったイメージを持たれている事業部の担当者も多いと思います。ツールの開発やAI、デザインまで、幅広い対応が可能ということをぜひ知っていただき、気軽に相談してもらえたらうれしいですね」

テクノロジーの力で、マイナビに関わる人々を支えたい。

MYパーパス特設サイトのローンチから約半年。パーパスの入力率はまだ100%に至っておらず、今後も促進が必要だ。ちなみに、プロジェクトメンバーは全員、ローンチとともに入力を行ったそう。それぞれどのようなパーパスを描いているか聞いてみた。

「私のパーパスは『デザインでよりよい世界をつくる』ことであり、デザインを仕事にすると決めた大学生のころからこの志は変わっていません。マイナビは人材や教育など人生に関わる事業を展開しているので、私もデザインの面から、マイナビに関わる方々をよりよい方向にサポートしていきたいと思っています」

と、本澤は語る。MYパーパス特設サイトでは、社員同士がつながり、未来が開けていくようなデザインを心がけたという。また、石原は、MYパーパス特設サイトに関わったことで、対話の重要性に改めて気づいたそうだ。

「NAL Solutionsとの関わりのなかで、対話を通じてエンジニアのやりたいことや性格、専門性を把握することがいかに大切か実感しました。NAL Solutionsとの関係性が築けた今、彼らと事業部の架け橋になり、双方の価値を高めていくことが私のパーパスです。今後は、日本に来てもらいスキルの交換をしたり、日本のエンジニアがベトナムで一緒に開発をしたりといった機会もつくっていけたらいいですね」

櫻井は、2022年12月に入社してすぐMYパーパス特設サイトに関わることになった。マイナビに入社した理由は「利用者に近いところで、フィードバックを受けながらよりよいものをつくっていきたい」と考えたからだという。

「前職では請負開発がメインで、自分がつくったツールやサービスは“納品したら終わり”でしたが、規模の大きいサービスを展開しているマイナビなら、自分がつくったものと長く向き合えると思いました。サービスを内製開発すれば、よりスピーディーな対応が可能であり、コスト削減や生産性アップにも貢献できます。ITの強みを生かし、今までにない価値観を、サービスを通してつくっていくことが私のパーパスです」

鈴木は、以前から「エンジニアの育成に携わりたい」という思いを抱いていたという。そういった意味で、若手エンジニアの活躍をサポートした今回のプロジェクトは、自身にとって大きな意味があったようだ。

「2024年4月からは、デジタルテクノロジー戦略本部を離れ、エンジニアの教育事業を行うグループ会社にジョインします。そちらの会社では、エンジニア志望の学生に対するサービスも開発しているので、教育とサービス開発といった両面から支援したいと考えています。エンジニアになりたい人は多く、採用したい会社も多いのに、需要と供給のバランスが取れないといった状況を、少しでも改善していきたいですね」

一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。この「一人ひとり」には、マイナビの商品・サービスを利用するクライアントはもちろん、マイナビで働く社員も含まれている。4人が目指すパーパスの交差点には、「テクノロジーを通じて、マイナビで働く人を支える」という想いがあるようだ。

株式会社マイナビ  デジタルテクノロジー戦略本部 ビジネスイノベーション統括本部 開発企画部

鈴木 拓暁(すずき・ひろあき)

2006年入社。情報システム部門で商用サービス向けのITシステム基盤の設計や構築に従事。2022年デジタルテクノロジー戦略本部発足後は内製開発部門構築を推進。

株式会社マイナビ  DXデザイン事業部 DXデザイン プロジェクトマネジメント第2チーム

石原 一麻(いしはら・かずま)

2019年入社。人材紹介事業のシステム担当として、主にサービスサイトの開発に携わる。2023年10月、DXデザイン事業部に異動。オフショア開発事業におけるプロジェクトマネジメント業務を担当し、現在に至る。

株式会社マイナビ  デジタルテクノロジー戦略本部 エンジニアリング統括本部 ITディベロップメント第1統括部 ITディベロップメント部

櫻井 俊介(さくらい・しゅんすけ)

2022年入社。デジタルテクノロジー戦略本部にて「マイキャリアスタディの管理システム」「マイナビBizの管理システム」の開発に携わる。2023年に「50周年記念の社内サイトMyパーパス特設サイト」を担当し、現在は転職インサイドセールスシステムの開発を担当している。

株式会社マイナビ  デジタルテクノロジー戦略本部 CXマーケティング統括本部 コンテンツプランニング統括部 UXデザイン部

本澤 駿(ほんざわ・しゅん)

2021年入社。一般/士業領域のマイナビエージェント、マイナビ会計士、税理士などのサイトデザイン改修・コーディング作業などに携わる。2022年10月にデジタルテクノロジー戦略本部に異動。一般士業領域のデザインだけでなく、他事業部のデザイン制作も行う。2023年4月にUXデザイン2課の課長に就任。同年の定例表彰でUXデザイン部はチーム賞、個人ではマネージャー賞受賞。

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